これが教科書!完全版!これさえ見れば安心・完璧な手づくり石けんの作り方の徹底ガイドです!

石けんつくってみませんか。

手作り石けんのブログをのぞき、作ってみたい!のあなたに贈ります。ポイントを押さえれば簡単に作れます。作り方を詳しく。

お教室に行かなくても大丈夫!顔や体の他に、シャンプー用の石けん、犬用の石けん、廃油石けん、みんな基本は同じです。

初心者さんでもこれだけ見れば完璧!の手作り石けんづくりのマニュアルです。

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材料・道具・下準備 

材料(500グラムバッジ*1、680ml)

  • オリーブ油     250グラム(50%)
  • パーム油      150グラム(30%)
  • ココナツ油     100グラム(20%)*2
  • 精製水       150グラム(水分30%)
  • 苛性ソーダ      67グラム(鹸化率92%)
  • エッセンシャルオイル   5グラム(香りづけはお好みで)

 

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道具

  • はかり  1グラム単位で測れるものを。
  • 苛性ソーダを溶かす容器  500ミリリットル程度の大きさのものを。材質はガラスかプラスチックで。ガラスだと入れ物に重さがあるので、苛性ソーダ水を水や氷水に容器ごと浸して冷やしたい時には便利。プラスチックなら100均で買えます。
  • ボウル  700ミリリットル前後の生地を混ぜ合わせるので、やや大きめ、2リットルくらいの大きさが安全。底の面積が大きいものだと安定します。 ステンレスかガラス製のものを。プラスチックでも石けんは作れますが、プラスチックが苛性ソーダのアルカリに負けるため、ボウルが傷みます。 ガラスのボウルだと電子レンジが使えます。ただし重い。 
  • 泡だて器 ステンレスだと、混ぜている時にカシャカシャ音がするので、気になるのであればシリコン加工の泡立て器を。
  • スプーン  ステンレス製のものを。
  • ゴムべら
  • 温度計 後で書きますが、慣れてくれば温度計はいりません。しかし、初心者さんでしたら、 あった方が安心できるでしょう。理想は2本。(油用と苛性ソーダ液用)。1本でもOKです。
  •  手作り石けんや手作り化粧品のネットショップで石けん用の型、アクリルモールドが購入できます。牛乳パックでも型が作れます。紙パックを2つ、上部を切って合わせ、ホッチキスで留めます。
  • 新聞紙  作業台に敷いたり、保温箱に入れたり。5~6枚。
  • 保温・保管箱  段ボール箱や発泡スチロールの箱など。型がすっぽり収まるものを。 新聞紙を敷いて使えば汚れを防ぎ、保温効果もあります。
  • コンロまたはIHクッキングヒーター電子レンジなど、油を温めるためのもの  ボウルの材質によります。ステンレスのボウルなら直接コンロの火にかけるより湯煎を。火を使わないIHのクッキングヒーターなら直接ボウルを乗せてかまいません。ガラスのボウルならコンロで湯煎か電子レンジで。
  • キッチンペーパー
  • ラップ
  • ゴム手袋
  • マスク
  • エプロン

換気のできる場所で。後片付けも入れると2~3時間必要です。

 

下準備

  • 作業台に新聞紙を敷く。
  • 材料・道具・型を出す
  • 油を温められるようにしておく。(コンロで湯煎、IHクッキングヒーターを出す)。
  • 石けんに香りをつけるのであれば、測っておく。(6~7ミリリットル)

 

 

石けんを作る

苛性ソーダと精製水を測り、合わせる

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はかりに苛性ソーダを溶かす容器を乗せ、目盛りを「0」にリセットし、まず苛性ソーダを測り、再びリセット後、精製水を測り入れます。

  • 苛性ソーダと水を合わせると、水温は80~90°にまで上がります。また、この時ガスが出ます。このガスは有害なので、吸い込んではいけません。換気の良い場所で作業します。
  • 作った苛性ソーダ水は安全な場所に置き、さまします。

 

■コラム■

苛性ソーダに精製水を注ぐか、精製水に苛性ソーダを入れるか。

 苛性ソーダは劇物なので、取扱いにはくれぐれも注意を。石けんづくりはある意味、化学なのです。化学の立場からいけば、精製水に苛性ソーダを入れるのが正しい。しかし、苛性ソーダを入れるとしぶきが上がって危ない。本には水に苛性ソーダと書いてあるけれど、どうしたらいいんだろう。迷う方も多い。結論から言えば、とにかく安全に気をつける。安全に作業できるのであれば、苛性ソーダに精製水でもいいのです。

 

油をボウルに測り入れる

はかりにボウルをのせ、目盛りを「0」にリセットし、材料の油を計量する。

  • 石けんを作る季節やお住まいの場所にもよりますが、パーム油とココナツ油は春・秋・冬、常温では固体です。先にこの2つの油を測り、いったん温めて溶かしてからオリーブ油を注ぎ入れるといいでしょう。
  • 液体の油を注ぐときには、均一に使えるようにボトルを良く振ってから油を測ります。
  • また、油は粘度があるので、最初はある程度多めに注いでもいいが、徐々に注ぐ量を少なくしていくと測りやすい。
  • 合わせた油は軽く混ぜる。

油と苛性ソーダ水の温度を41度前後に揃え、苛性ソーダ水をボウルに注ぐ

苛性ソーダ水が飛び散らないよう、低いところから静かに注ぎ入れます。

  • 温度合わせのタイミングを見極めるにはコツが入ります。油は温度が上がりやすく、下がりにくい。苛性ソーダ水の温度が45度前後になってから油を温めていきましょう。
  • 実を言えばボウルや容器に触れ、どちらも「熱っ!!!」の温度でなければ、多少温度が違っていても混ぜてしまっていいのです。温度と石けんづくりについては後でまた書きます。 

石けん生地をトレースが出るまで混ぜる

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石けんの混ぜは20分、が基本です。最初の5分、一生懸命混ぜ、あと15分、ゆるゆると混ぜる。そのあと型入れのタイミングを見極めていきます。徐々に生地は白っぽくなり、石けん生地の温度が上がります。やわらかとろり、ゆるめのカスタードクリーム状になって、見た目、とってもおいしそう。かき混ぜる手の感触が少し重くなってきた…になります。

  • 最初の5分くらいは一生懸命混ぜた方が早くトレースが出ます。
  • 泡立て器で混ぜていきますが泡を入れるために泡立て器を生地に出し入れしながらカシャカシャ生地をかき混ぜるのではなく、泡立て器を縦に持って、軽く生地をぐるぐる回すのです。力を入れる必要はありません。 (ソーパーさんたちは石けんを作ることを「ぐるぐるする」と言ったりします)

■コラム■

 石けんに気泡を入れたくないなら

ボウルのへりに軽く石けん生地をぶつけていくつもりで混ぜていきます。

ただし強すぎると、石けん生地がボウルから出てしまうので、様子を見ながら。

何回か作業台に「ダン!ダン!ダン」と落とせば大きい気泡は取れますが、小さいものはなかなか取りきれない。

気になるようでしたら、泡立て器を生地から出さない。時計回りなら時計まわり、反時計まわりなら反時計まわりと、常に一方方向にほどほどの強さで泡立て器を動かし、ボウルのヘリに気泡を出して抜けやすくしましょう。

  • 油と苛性ソーダ水はほどよく混ざり、乳化してきます。 泡立て器を石けん生地から出し、石けん生地を少し垂らしてみる。そのまま生地が沈んでしまうようなら、まだまだ。さらに混ぜ続けます。を繰り返し、垂らした線がすぐに消えてしまうのではなく、しばらく表面に残るようになればば型入れのタイミングです。これを「トレース」と呼びます。

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(トレースがでたところ)

 

レシピや石けんづくりのコンディション(温度や混ぜ方の力の入れ具合など)によりますが、ここまで1時間前後。

  • 香りをつけるのであれば、ここでエッセンシャルオイルを入れます。ダマにならないよう、少しずつ低い位置から流し入れ、良く混ぜます。*3

■ポイント■

  • 鹸化には温度が必要です。苛性ソーダ水を入れた石けん生地は、かき混ぜると一旦温度が上がるものの、その後冷めてしまうこともままあるので、ボウルを外側から触ってみて「ぜんぜんあったかくない」「なんだか冷たい」かんじでしたら、作業の途中でもボウル全体をその都度温めましょう。
  • 同じく鹸化にはある程度撹拌が必要。20分混ぜれば、混ぜそのものは十分です。まぜ続けるのが大変であれば、そこで混ぜをストップしてもいいのです。何もしなくても鹸化は進みます。ただし放置しっぱなしはNG。型入れのタイミングを見極めるため、こまめにトレースの進み具合をチェックすること。もちろんかきまぜ続けた方が石けん生地は早く固まります。

 

■コラム■

 スティックブレンダーについて

  • 手作り石けんの強い味方、スティックブレンダ―。何十分も手混ぜするのは疲れるし、時と場合によってはいつまでもトレースが出ない時もある。時短の強い味方です。
  • 値段も2~3千円前後からあるのでお手頃。洗えば料理用にも兼用可。大活躍。
  • 選ぶのであれば、先端部分が金属製のものはNG。そしてチョッパーがすっぽりのお椀型ではなく、気泡を逃す空洞の入っているタイプが望ましい。
  • 使い方は、チョッパーに空気が入らないようにボウルに沈め、3~5秒、スイッチを入れ、止めてからゴムべらなどで石けん生地全体をよく混ぜる。をトレースが出るまで繰り返します。
  • 注意点としてはまず気泡が入りやすい。もう1つ。手混ぜとは比べものにならない強い撹拌なので、トレースが超超急激に進んでしまうことがあります。メーカー毎の特徴、自分のブレンダ―のクセを見極めながら、はじめは様子を見ながら少しずつ、が鉄則。

 

トレースがしっかり出れば撹拌は十分。

  • ただし今どきの流行で模様のついた石けんを作りたい。流れるようなラインを出したい時は。もう一段階前の緩めの状態で型入れの準備にかかる。しかし混ぜが甘いと石けんは固まらない…。
  • ボーダーラインは、ある程度撹拌したらボウルの中の石けん生地とフチをよく見る。オイルの層が見えるようでしたら、まだまだ。ボウルを傾け、戻し、ボウルのフチをつたう石けん生地がまだらにならもう少し。 流れ戻る生地が均一であれば型入れ準備OK、です
  • 石けん生地は鹸化が始まると徐々に固くなってきます。トレースが進みすぎると生地はボテボテになってしまい、型入れするのもひと苦労。タイミングが見極められるようになれば、上級者。

型入れ

トレースが出た生地を型に入れ、型にラップをかけます。

保温 

保温箱に入れ24時間保温します。フタをあけてはいけません。保温箱の温度が下がってしまいます。 40度前後が理想。

この間に鹸化は進み、石けんが固まる。

温度が低すぎたり混ぜが足りないと石けんが固まらない。

温度が上がりすぎたり石けんのオプションによっては型入れした後の急激な鹸化と温度上昇で石けん生地がパウンドケーキの生地のように膨らんでしまったり、中央に亀裂が入ったりします。

寒い季節は保温箱にホッカイロやミニ湯たんぽを入れて毛布で包むなど、石けんをあたためる工夫を。

後片付け

使った道具についた石けん生地は油が強く、強アルカリです。台所用洗剤でもなかなか落ちない。(時間をかければ落ちるのですが)

キッチンペーパーやボロ布などで石けん生地をふき取ってから洗えば、大分手間が省けます。ふきとったキッチンペーパーは新聞紙に包んで地域のルールに従って捨てます。

ただし、洗わず4週間放置すれば、道具についた石けん生地、石けんになってますから、使えます。

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(4週間たったら水に浸せば石けん水に。台所用・洗濯石けんに使えます)

24時間後に型出し・48時間後に切り分け

24時間たって、固さが羊羹くらいになれば、型出しできます。 牛乳パックなら切り裂く。アクリルモールドであれば押し出し板等で取り出し、翌日、包丁やワイヤーで切り分けます。

 

■ポイント■

 アクリルモールドから石けんが出てこない時は?

石けんが固いと押し出し板で血管が切れそうになるくらい強く押しても出てこない時があります。 原因は取り出すタイミングが遅すぎる時もありますし、がっちり固まるレシピか柔らか目のレシピか、水分量の多い少ないも関係してきます。取り出すためには、

  • ホホバ油を型にあらかじめ塗ってから型入れする。
  • 冷凍庫に2日ほど入れ、出してからしばらくするとスパッと取り出せます。ただし温度が下がるため、鹸化がいったん止まります。
  • 蒸しタオルでくるむ。薄いタオルよりは厚手でたっぷり水分を含むものを。びっしょり目に濡らし、電子レンジにかけて蒸しタオルを作り、モールドごと石けんを包んで5分ほど置きます。縦長(筒状)のモールドは、横長のモールドより多少長めに。アクリルモールドが温まり、モールドについた石けんが多少ゆるんだところで型出しすればスムーズです。

 

型出しは、出来上がった石けんが動き出すまでは力がいりますが、石けんが動き、モールドに石けんが触れる面積が小さくなるにつれて楽になります。型出しの終わりの方であまり力を入れ過ぎると石けんが飛び出して来たりすることがあるため、型出しの終わりぎわは慎重に。

  • 型出し・切り分けた石けんにはできるだけ触らないこと。指紋がつきます。
  • 型出し24時間、切り分けとしましたが、もっと時間を置いてから取り出してもかまいません。むしろ、長めにモールドに入れておいた方が固さが出て、断面が綺麗に仕上がります。理想は一週間。熟成が進んで使えるようになる1か月後に切り分けてもかまいません。ただし、あまり置きすぎると水分が飛び、固くなりすぎ、モールドから取り出すのが大変です。
  • 温度が高いと石けんはなかなか型まらない。真夏の石けんは24時間おいても型出しにはまだ早いかも。逆に真冬に保温をしっかりした石けんは、24時間後でも型出しに苦労するかも。

乾燥

石けんと石けんの間をあけて、風通しの良い、直射日光のあたらないところに置いて4週間、乾燥させます。

  • 作った直後の石けんは、アルカリが強すぎるので使えません。時間を置いてアルカリと水分を飛ばす。
  • 湿気や直射日光は、せっかく作った石けんの傷みの原因になりますので、禁物。床近く、部屋の下に置くよりは棚の上など、高いところに置いた方が空気が流れる。
  • また、乾燥中、エッセンシャルオイルの香りが漂いますので、見えるところに置いて石けんの姿と香りを楽しむこともできます。

4週間後、解禁!

お待ち遠さまでした。4週間たてば使えます。

 

苛性ソーダの取扱いにはくれぐれも注意を!

特に子どもや動物には要注意! 今までのプロセス全てで、特に小さいお子さんなどいるご家庭では、苛性ソーダの取扱い、ボウルに入った石けん生地、使えるまでの石けんの取扱いには注意してください。

撹拌中の石けん生地は、見た目はとろりとしてとってもおいしそうです。

肌や服や家具についた時にはその都度完全に洗い流すまたはふき取ること。

 

材料の入手先

ネットショップが一般的です。

カフェ・ド・サボン

材料の油も道具もモールドも一度に揃います。

手作り石けん材料と道具のお店 | Cafe de Savon - カフェ・ド・サボン -

 

上野・アメ横 カワチ屋食品

主に油を扱う、上野アメ横の卸問屋さん。

kawachiya-foods.com

 

手作りコスメの材料店では、手作り石けんの材料を扱っていることも多い。

オレンジフラワー

www.orangeflower.jp

 

老舗の手づくり石けんの材料店。オーガニックなお品の取り扱いも豊富。

いまじん

www.eco-imagine.com

 

材料の油は、専門店でなくても、食料品の油、アロマショップの油でOK。ただし普通のお店には置いてないことも多いので、専門店で探してまとめて入手する方が早い。

道具は、アクリルモールドなどはもちろん専門店でなければ手に入りませんが、ボウル・泡だて器やカップなどは100均でも十分ですし、キッチンツールやケーキ材料や道具を眺めながら、「コレ、石けん作りに使えないかな…。」と見て回るのも楽しみの一つだったりします。

 

手作り石けんあれこれ

手作り石けんはいつまでに使えばいいの?

作った石けんの状態、保管状況によって千差万別です。

作ってから4週間たったら使える石けん。2個め、3個めは2ヶ月たち、3ケ月たち…すると、「熟成」といいまして、石けんから余計な水分が飛び、アルカリがより落着き、使い心地はよりまろやかになります。

ソーパーさんたちからは、「(作ってから)じっくり寝かせてから使う」の声多し。

半年くらいたってからが真の使いごろかもしれません。

ただし熟成と酸化は背中合わせです 。お肌を守るためにあえて残したディスカウントの油は、そのまま石けんの傷みの原因になります。

酸化が始まるまたは酸化の進んだ石けんは、石けんの表面に茶色い斑点が出てきたり、酸化臭がします。酸化の始まった石けんでも、汚れを落とす効果には変わりないので、石けんとして使えます。肌や体に使うのに抵抗があるなら、台所用・洗濯用に。

自分で作った石けんは、3ケ月くらいで酸化の茶色いスポットが現れたものもあれば、3年近くたってもまだ使える石けんもあります。使用期限を線引きすることは難しい。

 

最大公約数の答えは 「通気性の良い冷暗所に石けんと石けんの間を離して保管し、様子を見ながら使ってください。なるべく1年以内に使うことをお勧めします」でしょうか。

 

■ポイント■

手作り石けんの酸化を防ぐには

  • 材料の油を工夫(たとえばレッドパーム油には除菌効果のあるビタミンEが含まれている)する。
  • 石けんの鹸化率を上げて(90%を95%に、とか)残す油を少なくする。
  • 石けんを作る時は、道具やモールドをきちんと洗って異物の混入をできる限り避ける。
  • 香りづけには除菌効果のある精油を使う(ティートリー、ローズマリーなど)
  • 通気・冷暗所保管を徹底する。
  • 防腐剤を入れる(グレープシードエクストラクト、ローズマリーオイルエクストラクトなどが一般的)など。

 

 

手作り石けんと市販の石けんや洗顔料との違い

  • 泡立ちが若干弱い(泡立てネットを使うとよく泡立ちます)
  • 水分が残っているため溶け崩れしやすい(ソープディッシュに乗せる、普段はお風呂場から出して洗面所に置く、など)
  • 泡、洗い心地、洗い上りがマイルドで、使ったあと天然のグリセリンとディスカウントした油分が手肌に残るため、保湿に優れる
  • 同じくグリセリンと油分が汚れをキャッチするため、部分洗い用の洗濯石けんにも使える。

原材料から自分で選んだ石けんなので、安心です。 肌の弱い方、アトピーのお子さんのいる方など、手作り石けんを使ってびっくりされ、 「今まで使っていたのは何だったんだ」「手作り石けんだとかぶれず洗える。今まで使ったのは全部ダメだったのに…」との感想も、実際に管理人、御本人から聞きました。

(注:あくまで個人の感想です。その人ごとにお肌の状態等、個人差ありますから…)

 

レシピについて

オリーブ油50%、パーム油30%、ココナツ油20%の割合はスタンダードレシピ。

オリーブ油72%ココナツ油18%、パーム油10%の石けんはマルセイユ石けんと呼ばれ、期限は古く、フランスの太陽王ルイ14世が自国のブランドたる石けんのクオリティを保つために王令を発布したのが有名なエピソード。

オリーブ油100%の石けんはカスティール石けんと呼ばれています。

オリーブ油の割合が大きくなればばるほど、使い心地も泡もまろやかになります。

一方、お風呂場などに置いたままにしておくと溶けてしまいやすい。

また好みもあり、マルセイユ石けんやカスティール石けんはベタベタするから苦手、と言う人もいますし、脂性肌の人でオリーブ油メインの石けんは使わない、と言う人もいます。ごま油(白い太白ごま油を使う)や米油などをオリーブ油のかわりに使うと、洗い上がりはよりさっぱりします。

 

精製水について

薬局で買えます。コンタクトレンズ用品売り場か、日本薬局方の商品の売り場に置いてあります。純度の高い水なので、石けんづくりに向いています。

もちろん、水道水でもいいのです。しかし殺菌消毒用にごくごく微量の異物が入っているため、精製水を使った石けんよりも保管のリスクが大きい。

とは言え、水分を日本酒に置き換えれば日本酒石けんになりますし、りんごやアボガドや柚子を丸ごと使ったスペシャル石けんなんかも作れる。有効成分はもちろん入ってますが、異物も多いはず。

薬局で買ってきた精製水も、封を切ってしまえば傷みも進みます。ご自分の用途にあわせて使い分けてください。

 

水分について

石けんは油と苛性ソーダを反応させて作り、苛性ソーダを溶かすために水分が必要です。石けんづくりに使う苛性ソーダの重量の2倍程度以上の水分量であればまあ安心です。

量はオイルの重さの25~40%。

水分があまりに少ないと作業のし易さや安全に難ありかも。かわりにできあがる石けんががっちり。

水分の多めの石けんは、出来上がって乾燥させていくうちに水分が抜け、少しずつ軽くなり、見た目にも段々と反っていきます。

上にあげたスペシャル石けんなどは水分多めにして乾燥させることで有効成分をぎゅっと濃く。の手もありますね。

 

苛性ソーダについて

手作り石けんを始めるにあたり、一番大きな関門!?は苛性ソーダをいかに手に入れるかにかかっているといっても過言ではありません。

薬局で買えます。ただし繰り返しになりますが劇物扱いなので、成人でなけれ購入できない。身分を証明するもの(免許証・保険証など)と印鑑が必要ですし、店頭でこれこれこういう用途に使います、と紙に一筆書かなければいけません。

住んでいる場所や地域によって、事情が異なり、そもそも売っている薬局が見つからない(しらみつぶしに薬局に電話していった人もいる)、取り寄せになるのでまず電話で予約し、入荷の連絡をもらってから薬局に取りに行く人もいる。すんなり店頭で買えた人もいる。

通販でも買えます。ただし、自書捺印の書類提出は必須であることに変わりはないので、メールのやりとりだけでは購入は完結せず、その分時間がかかります。

 

鹸化率について

油と苛性ソーダをあわせ、熱で反応させることにより鹸化して石けんになります。手作り石けんにはこの過程で一緒にできる天然のグリセリンが含まれており、ここが大量に作られ、流通している市販の石けんや洗顔料との決定的な違いであり、使ってみてあまりの洗い心地の違いにびっくりされるはず。

また、鹸化の時、油を全部石けんとグリセリンにしてしまうのではなく、あえて石けんの中に油分を残す。油の全量のうち、石けんにする比率が鹸化率で、残す油分は「ディスカウント」と呼びます。鹸化率85~95%くらいが多く、鹸化率が低い石けんはしっとりですが溶け崩れしやすく、反対に高いと、石けんは固くなり、内部に残っている油が少ないことから酸化が進みにくい。

 

香りづけについて

香りはあってもなくてもいいのですが、手作り石けんはアロマのジャンルの1つなので、香りづけにエッセンシャルオイルを使うソーパーさん多し。

強さや長持ち度は香りによって違いますし、精油そのものもロット毎に香りは異なるため、一概には難しいのですが、使う油の重量の1%前後が目安です。

500グラムなら5グラム。6~7ミリリットル。大さじ1/2前後。

よく使われている香り

ラベンダー、ゼラニウム、パルマローザ、オレンジスイート、レモン、ローズマリー、ユーカリ、ティートリーなど。

スキンケアやヘアケアに使う精油は1滴とか2滴の単位ですが、これに比べると石けんに入れる量はケタ違いに多い。レアな香り、高価な香りよりは入手しやすいもの。かわりに複数の精油をブレンドし、香りに奥行きと深みを。

石けんを乾燥させる過程で香りどうしても飛んでしまいますが、表面が溶けますから、使う時には閉じ込められていた香りを楽しむことができます。

出来上がりの石けんの色にこだわりたいのであれば、エッセンシャルオイルそのものの色にも注意を。濃いと出来上がりの石けんの色に響きます。ラベンダーやゼラニウムなら透明。

トレースを早める香り、遅らせる香り

スパイス系(シナモンリーフなど)はトレースが早まります。

石けんを作っていて、トレースが出るのに時間がかかるのであれば、この手の精油を一たらしする。

また、柑橘系の香り(オレンジスイート、グレープフルーツなど)を入れた石けんはトレースが出るのが遅い。

天然の香りがエッセンシャルオイル・精油。

フレグランスオイル

人工の香りで、フレグランスオイルも人気があります。天然ものでは出せない香り(りんご、チョコレートなど)、自然・天然では高価すぎる香り(ローズ、ジャスミン、ネロリなど)を筆頭に、たくさんの種類があります。

天然ものに比べ、フレグランスオイルは石けんを作ってからの香りの飛びが少ない。

一方、トレースが早く出るものが多いようです。

フレグランスオイルを使う時は、特徴を見極めること。

 

石けんづくりの製法のいろいろ

いままで紹介したのは「コールド・プロセス製法」。温度を40度前後に保ち、室温で4週間保管してから使う石けんの作り方です。

しかしこれより低い温度でも高い温度でも石けんはできる。

ただ、自宅でつくる石けん、煮えたぎる温度での石けんづくりは危ないし、そもそも道具や設備が揃っていないと作れない。

そして温度が低いと石けんづくりの手間とプロセスが増えるのです。

石けんを作る核は「温度」と「撹拌」と「時間」。

ちょうど中間の、初心者さんでも安全に作業でき、手間もほどほど、の一番ポピュラーな石けん製法がコールドプロセス。

ほかの製法を紹介します。

ホイップソープ

苛性ソーダ水は冷やして。材料の油も固まったままで。温度が低い分、攪拌はしっかりと。スティックブレンダ―では力が足りないため、ハンドミキサーを使います。

出来上がった石けんが真っ白になるのが特徴。

注意点としては、

ハードオイル(室温で固まるココナツ油、シアバターなど)メインのレシピにすること。

作ってから使えるまで、コールドプロセスなら4週間ですが、ホイップソープなら2ヶ月くらい。

出来上がりはケーキの生クリーム状をねっとりさせた感触なのでチューブに入れ、口金から絞り出してケーキ石けんを作ったり、コーンスターチ(食用ではなくアロマ用)を混ぜて扱いやすくし、手で薄く延ばして花びらを一枚一枚形作ってお花のオブジェ石けんなどが作れます。

ケーキ石けん、お花石けんは手作り石けんのブログなどでも、よく見かけます。

コールドプロセス応用編

シンプルな石けんももちろん良いのですが、オプション入りの石けんを作る時は温度は35~38度くらいで。牛乳石けん、豆乳石けん、ココナツミルク石けん、卵石けんなど、タンパク質や脂肪分をオプションとして加える石けんは殊に温度管理に注意が必要。温度が上がりすぎると分離してしまう。

このほか、スタンダードなオプション入りの石けんにははちみつ石けん、酒かす石けん、日本酒石けん、柚子石けんなど。

いずれも温度変化が激しく、24時間の保温中もオプションなしの石けんにくらべ、石けんそのものの熱が高い。この場合、保温箱に入れない方がいい。

また、石けん型入れ後、保温箱で40度で24時間保温はあくまでも基本。

室温でも鹸化は進みます。ただし石けんが固まるまで時間がかかり、石けんの色が白みがかったり、角が真っ白になてぽろぽろおちてきたりする。発色が弱い。

色づけした石けんは保温箱に入れるのをおすすめします。

ホットプロセス法

トレースが出るまではコールドプロセス方法と同じ。その後70度前後の温度が保てる環境(海外ではクロックポットなど、日本なら湯煎、IHヒーター、ヨーグルトメーカーなど)にかけ、マッシュポテト状になるまで練り、型入れする。

出来上がった石けんの見た目は、コールドプロセスよりはもっさり、ボソボソだし、凝った模様はそもそも無理。

そして温度を高すぎず低すぎずに保つのは、湯煎やIHヒーターだと手間と神経を使う。

利点は、固まって切り分けたらすぐ使えること。

オーブンプロセス法

作った石けんを型入れするところまではコールドプロセス製法と同じ。その後120~150度(アメリカでポピュラーな石けんの作り方なので自分のオーブンで保てる温度に差がある)に熱したオーブンに石けん入れて1~2時間置く。こちらも固まったらすぐに使える。

ただし日本では入手できる石けんの型はアクリルモールドが主流。オーブンには入れられません。シリコン型もあるにはあるけど、アクリルモールドより高価。

トライするならシリコン型か紙パックで。精油の香りはさすがに飛んでしまいそうだし、温度が上がるオプションは加えてはいけない。

コールドプロセス・オーブンプロセス法

こちらもコールドプロセスで作った石けんを型入れし、70度の温度で2時間焼く。冷めるまでオーブンの中で放置。ただし、この方法だと石けん、使えるまでは念のため、4週間待った方がよさそうです。

 

ジェル化

海外のソーパーさんたちはなぜわざわざ作った石けんをオーブンで焼くのか。これは、早く使いたい。それと、石けんをあえてジェル化させるために熱を加えているのです。

暖かい季節、保温の温度が高く、加えた水分量が多めなど、条件が重なると、出来上がった石けんがやや透き通ったように、半透明にできあがることがあります。ジェル化と呼ばれており、ジェル化していない石けんより保管中に鹸化がより進んだサインです。

使い心地も泡もジェル化させた石けんの方がマイルドになると言われており、作ってから長期間寝かせておく(熟成)ほかに、自分の石けんをグレードアップさせるためにあえて石けんをジェル化させるソーパーさんも多い。

ジェル化させたい時には水分増やして保温の温度を上げてみましょう。

 

ソーダ灰

保温の温度が低いと、固まった石けんの表面に白い粉のようなものがつきます。ソーダ灰と呼ばれています。 全く害はないので、気にせずそのまま使ってください。 見た目だけなのですが、どうしても気になるなら、

  • 保温をとにかくガッツリ(容器を温める、ラップに加えて段ボールでフタをする、モールドの周りを新聞紙などで包み、保温性を高める、など)
  • 保温箱に石けんを入れる時、表面に無水エタノールを吹き付ける(ただしアルコールでアクリルモールドが傷みます)
  • モールド満杯に石けんを入れてラップし、石けんの表面を空気に触れさせない
  • 出来上がった石けんのソーダ灰のついた部分を切り落とす
  • 同じく出来上がった石けんの表面に水蒸気をかけて表面についたソーダ灰を溶かす

など、やってみてください。

*1:1回に石けんを作る油の総重量のこと。 500グラムバッジで1リットルの牛乳パック1本分の石けんが作れます。 水分も加わりますから出来上がりは100グラム前後の石けんが6~8個。 最近はハーフ、250グラムバッジで500ミリリットルの紙パックくらいの量でのレシピもよく見かけます。 作業にはある程度の油と水の量が必要です。250グラムは最小バッチ。石けん、そんなにたくさんいらないし…の時は、250グラムバッジでもOK。

*2:材料の油は3つとも手作り石けんの基本となる欠かせない油です。

  • オリーブ油 洗浄力があり、オレイン酸たっぷり、お肌しっとり。入手しやすい、オールマイティな油。
  • パーム油 石けんに固さを出します。
  • ココナツ油 石けんを泡立たせます。

*3:精油は温度が上がると揮発します(50度前後)。なので作り始めに精油を入れ、熱を加えるとその分香りは飛んでしまう。ただ、油を合わせた時にもう香りづけをしてしまい、2~3日馴染ませることにより香りに丸みを持たせる石けんの先生もいる。入れた精油の種類によってはトレースが早まったり伸びたりする。一方、最後に入れようと準備していたのにうっかり入れ忘れて万事休す。のケースもあります。結論から言えば、いつ入れてもOK。自分のスタイルで。