ローズマリーのハンガースワール石けん

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ローズマリーの生け垣なんか作ってみたい。アロマやってる人間にとって、ローズマリーは使いでのある植物。

母の庭のローズマリーはわりと大木です。枝の長さ1メートルくらいあるんだもの。

 

許可をもらい、秋にごっそり枝を切り、ついでに真似して庭に植えてみたんだけど、母が丹精したのとはくらべものにならないほど貧相な自分の庭のローズマリーの枝を切り(母いわく、「ローズマリーは日当たりの良いところに植えないと大きくならないよ。それと肥料をもっとあげないと。」今年は場所変えます!肥料あげます!)

 

床に新聞紙を敷き詰め、ローズマリーの葉っぱを落とし、広げて乾燥させ、バーミックスで粉砕し、ふるいにかけてローズマリーパウダーを作りました。

 

一番の目的はローズマリーのシャンプーバーを作るため。床いっぱいのローズマリーの葉っぱは、乾かすと半分くらいまでカサが減り、完成品のパウダーは小さめのボウルで半分くらい。売ってるハーブパウダーも、世界中のハーブガーデンの人たちの手間暇がかかってるんだな~とか感慨にふけったりして。

なんとか1年分取れた。せっかくだし、手塩にかけたローズマリーパウダー模様のついた石けんを作ってみたい。とハンガースワールにしてみました。

 

天然素材を使った手作り石けんは、色が地味なんですよね。顔料を使った石けんのメリハリ効いた色使いは出ない。ハーブパウダーにしてもクレイを使っても…。

 

わかっちゃいるけど、今回はいいや、と

  • 極濃ローズマリーパウダー入り
  • 普通にローズマリーパウダー入り

とできるだけ濃淡のコントラストを強くして型に入れ、

ハンガーでぐるぐるぐるっと一生懸命混ぜました。

 

まあまあの模様ができました。

 

しかしふるい、私が見つけた範囲で一番細かいのを使ったのに、

売ってるローズマリーより、どうしても粒が大きいらしい。

(石臼を買うべきかしら、どこに売っているのかしら)

 

なのでカットしたときにローズマリーパウダーが引っ張られ

今回も石けんの表面にラインが入ってしまいました。

 

 

■ローズマリーのハンガースワール石けん(380gバッジ、517ml)
【作成日 2017.11.23          
解禁日 2017.12.22】

オリーブ油        152g(40%)
パーム油           114g(30%)
ココナツ油           76g(20%)
グレープシード油 19g(5%)
ヒマシ油                  19g(5%)

苛性ソーダ 51g(鹸化率92%)
精製水 99g(水分26%)

オプション ローズマリーパウダー、ROE
香り スプリングガーデン、ジュニパーベリー

ゆず石けん

ゆず石けんyuzusoap20171117

 

ゆずは手作りコスメ派にはありがたい素材。柚子の種を無水エタノールに浸し、チンキを作り、化粧水に入れる、クリームに使う。ハンドクリーム代わりに手にすりこむとすべっすべ。

ユズ種子エキスの有効成分リモニンには、メラニン生成抑制作用・線維芽細胞増殖作用・皮膚のターンオーバー促進効果が認められています。

メラニン生成抑制作用に関しては、チロシナーゼの活性阻害作用で、いわゆるシミ予防効果になりますが、オリザ油化株式会社が公開している実験データによると、ユズ種子エキスのチロシナーゼ活性阻害効果は、アルブチンには及びませんが、純正のビタミンCよりは効果が高いことを示しています。  (出典:ユズ種子エキスとは 化粧品成分オンライン

 

ゆずの果肉と皮はハチミツに漬ける。トリートメントに使える。髪に塗ってホットパックして洗い流すとツヤツヤになる。

(本来の使い方は飲み物です;;ハチミツ柚子茶は美の国韓国の伝統のお茶)

で、石けんにしない手はないので。

ゆずをまるごと1コ、刻んでから苛性ソーダを入れ、ブレンダーでガーっと混ぜます。この時、温度が上がりすぎ、ブレンダーが変形します。(前もこれやってブレンダー壊した。今回も壊して「そ、そういえば去年も…。」とがっくりきた。)

ブレンダーを壊さないためには、柚子だけを前もってなめらかにペースト状にする工夫が必要ですね。

すりばちやミキサーでじっくり時間をかける。でも、1コだけだと、すりばちやミキサーの底にくっついて、ロスが大きいんですよね~。

ゆず+精製水でじっくりブレンダーにかければいいのでしょうが、せっかく作るんだし、水分オールゆずで賄ってしまいたいと余計な煩悩が脳裏をよぎり、2年連続、ブレンダー破壊の結果を招いてしまいました。

で、様子がおかしいことに気づき(水分を野菜果物で賄う石けんの場合、おおむね温度が上がり異臭がたちこめる)焦ってブレンダーを引きあげた。結果、混ぜがたりなかったため、ゆずのつぶつぶが残り、カットするとき引っ張られるのでカット断面に線が入るのです。

 

1バッチ、ゆず1コでちょうどの量です。

欲張って2コ入れたことがあるのです。24時間後、温冷庫覗いたら、ゆずエキスの中で石けんが泳いでいた~。

もちろん引き上げ、乾燥させ、使いましたとも!特濃ゆず石けん。

 

■ゆず石けん(440gバッジ)
【作成日 2017.11.17 
解禁日 2017.12.15】

オリーブ油        176g(40%)
パーム油           132g(30%)
ココナツ油           88g(20%)
グレープシード油 22g(5%)
ヒマシ油                  22g(5%)

苛性ソーダ 59g(鹸化率92%)
オプション ゆず1コ
香り なし

 

マルセイユ石けん

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マルセイユ石けんとは、

もともとはフランスの特産品(昔、石けんは貴重品)。

17世紀にルイ14世が定めた

  • 石けんにはオリーブオイルを使用し、古い油は使わないこと。
  • 夏に作られた石けんは質が落ちる。この時期、石けんを作ってはいけない。

以上ををクリアした石けんは、「マルセイユ」を名乗っていいのだと解釈させていただきます。

 

手作り石けんの世界では

オリーブオイル100%の石けんを「カスティール石けん」といい、

オリーブオイル72%、パーム油10%前後、ココナツ油18%前後のものを「マルセイユ石けん」と呼ぶ。

 

オリーブ油100%の石けんは、もちろんお肌しっとり、使い心地は悪くないのですが、一方、泡立ちが良くない。しっとりを通り越してヌルヌルする。お風呂場に置いておくと石けんが溶けてしまう。と市販の固形石けん、液体石けんを使い慣れた方には違和感も多い。

 

で、パーム油とココナツ油をプラスすることで、溶け崩れを防ぎ泡立ちをよくする。

 

売ってるマルセイユ石けんって、絶対酸化してますよ!まず、色がおかしい。作りたての石けんがこの色です。なんであんなにどす黒い色してるんだろう。香りだって、絶対酸化臭入ってると思うんだけど。

この石けん、酸化防止剤にローズマリーエクストラクト入ってます。入れないと、コンディションにもよりますが、おそらくは半年くらいで酸化のサインのブラウンスポットが出て、1年くらいで全体が黄ばんでくる。

…売ってるマルセイユ石けんって、手作り石けん作って1年たったをはるかに通り越した色をしてる。2・3年たってるんじゃないのか…。ついでに言えば、減りが遅い!自分で作ったマルセイユ石けんなんか、本気で顔や体に使えば10日くらいでなくなってしまうのに!どうやればあそこまでカチカチに水分抜けるんだ…。ホントにナチュラルなのだろうか。

もっとも、使っているオリーブ油も、日本で手に入るものとは違いますね。塩析したことがあります。まず塩析しても色があまり落ちない。塩析したあとのテクスチャーも、カワチ屋やオレンジフラワーやカフェドサボンで買った油と全然違い、異様にボソボソしていた…。

 

私が今回、マルセイユ石けんを作ったのは、洗濯、ことに部分洗い用。

石けんに残る過剰油脂は、お肌をしっとりさせ、柔らかな洗い上がりにしてくれる。お洗濯では、油で油を落とす。襟・袖よごれほか、洗濯ものの汚れた部分には、漂白剤を使う前にまず手作り石けんを使う。汚れ、バンバン落ちます!ぜひお試しあれ。

いつもは鹸化率は92%なんですが、過剰油脂を多めに取るため、今回は90%にしてみました。

…反省点としてはですね、香りづけにタイムを使ったのです。「スパイス系の香りはトレースを(激しく)早める。」これ常識。のため、知らずに買ってしまったタイムの精油がいつまでも残ってて、どうせ自家用なんだし、いいかな、と入れてみれば、トレースの早いこと早いこと!あっという間に生地はボテボテになってしまい、やっとのことで型入れしました。

普通の精油!?を使えば、切り口、もう少しなめらかになったはずです。

 

 

■マルセイユ石けん(370gバッジ、503ml)
【作成日 2017.11.18 解禁日 2017.12.16】

 オリーブ油 266g(72%)
 ココナツ油 67g(18%)
 パーム油 37g(10%)

 精製水 96g(水分26%)
 苛性ソーダ 48g(鹸化率90%)

 オプション ROE
 香り タイム