マルセイユ石けんとは、
もともとはフランスの特産品(昔、石けんは貴重品)。
17世紀にルイ14世が定めた
- 石けんにはオリーブオイルを使用し、古い油は使わないこと。
- 夏に作られた石けんは質が落ちる。この時期、石けんを作ってはいけない。
以上ををクリアした石けんは、「マルセイユ」を名乗っていいのだと解釈させていただきます。
手作り石けんの世界では
オリーブオイル100%の石けんを「カスティール石けん」といい、
オリーブオイル72%、パーム油10%前後、ココナツ油18%前後のものを「マルセイユ石けん」と呼ぶ。
オリーブ油100%の石けんは、もちろんお肌しっとり、使い心地は悪くないのですが、一方、泡立ちが良くない。しっとりを通り越してヌルヌルする。お風呂場に置いておくと石けんが溶けてしまう。と市販の固形石けん、液体石けんを使い慣れた方には違和感も多い。
で、パーム油とココナツ油をプラスすることで、溶け崩れを防ぎ泡立ちをよくする。
売ってるマルセイユ石けんって、絶対酸化してますよ!まず、色がおかしい。作りたての石けんがこの色です。なんであんなにどす黒い色してるんだろう。香りだって、絶対酸化臭入ってると思うんだけど。
この石けん、酸化防止剤にローズマリーエクストラクト入ってます。入れないと、コンディションにもよりますが、おそらくは半年くらいで酸化のサインのブラウンスポットが出て、1年くらいで全体が黄ばんでくる。
…売ってるマルセイユ石けんって、手作り石けん作って1年たったをはるかに通り越した色をしてる。2・3年たってるんじゃないのか…。ついでに言えば、減りが遅い!自分で作ったマルセイユ石けんなんか、本気で顔や体に使えば10日くらいでなくなってしまうのに!どうやればあそこまでカチカチに水分抜けるんだ…。ホントにナチュラルなのだろうか。
もっとも、使っているオリーブ油も、日本で手に入るものとは違いますね。塩析したことがあります。まず塩析しても色があまり落ちない。塩析したあとのテクスチャーも、カワチ屋やオレンジフラワーやカフェドサボンで買った油と全然違い、異様にボソボソしていた…。
私が今回、マルセイユ石けんを作ったのは、洗濯、ことに部分洗い用。
石けんに残る過剰油脂は、お肌をしっとりさせ、柔らかな洗い上がりにしてくれる。お洗濯では、油で油を落とす。襟・袖よごれほか、洗濯ものの汚れた部分には、漂白剤を使う前にまず手作り石けんを使う。汚れ、バンバン落ちます!ぜひお試しあれ。
いつもは鹸化率は92%なんですが、過剰油脂を多めに取るため、今回は90%にしてみました。
…反省点としてはですね、香りづけにタイムを使ったのです。「スパイス系の香りはトレースを(激しく)早める。」これ常識。のため、知らずに買ってしまったタイムの精油がいつまでも残ってて、どうせ自家用なんだし、いいかな、と入れてみれば、トレースの早いこと早いこと!あっという間に生地はボテボテになってしまい、やっとのことで型入れしました。
普通の精油!?を使えば、切り口、もう少しなめらかになったはずです。
■マルセイユ石けん(370gバッジ、503ml)
【作成日 2017.11.18 解禁日 2017.12.16】
オリーブ油 266g(72%)
ココナツ油 67g(18%)
パーム油 37g(10%)
精製水 96g(水分26%)
苛性ソーダ 48g(鹸化率90%)
オプション ROE
香り タイム